3面石膏取り 新しい離型剤の発見

粘土原型には台所用洗剤の水溶液を筆で塗ります。
石膏の離れが良くなります。石膏が強く張り付くと破損の原因に
なります。石膏型が割れると嫌になるので…。
大きな石膏型の場合はスタッフを練り込みます。
これも割れると嫌になるから重要です。
割れても修正は可能ですが嫌なものは嫌なのです。
洗剤のお陰でキレイに剥がれましたね。
実物のライダーマスクと同じで3面型取りなのです。
パーティングラインを残すわけでもないのに実物に拘ったのでは
無くて、やってみれば分かりますが3面は「なるほど〜」です。
これが離型剤です。
タイヤの交換に使うワックス「ビードワックス」。タイヤクリームとも
呼ばれるワックスです。
FRPで造形をする方法が説明されているサイトでは離型剤に
「リンレイ・ブルーワックス」を薦めていますが…どうでしょうか?
自分には向いていないのです。
昔からブルーワックスを使いません。苦手です。

ビードワックスがどれほどの実力なのか以下に説明していきます。
3面の型にそれぞれポリパテを塗り付けて、厚くしていきます。
3〜4mmの厚みまで裏から塗り付けます。
型のエッジにポリパテが乗らないように3面を別々に処理してから
3分割した石膏型を合わせたのが上の写真です。

3つの石膏型はナイロンのひもで縛って固定しました。
3面を合わせるのですから合わせ目のラインは3本ですね。
その3本線にポリパテを塗り付けて一つの殻にするのです。
使っているポリパテは「ロック・中目ポリパテ」です。
缶に書いている説明に「限界厚3ミリ」とあります。
この3mmという数字が大事で、3mmで成形すればマスク状の
成型物の強度は確保できてしまうのです。
しかも3mmでの成型なので被れるのです!
当然落下させると割れますので注意は必要です。
「形状を保つだけの強度」が3mmだという意味です。
ビードワックスが効いています!
ポリパテは硬化すると少し収縮するのが写真で分かります。
1mmほど隙間が出来て石膏から浮いてきましたね。

ポリパテの硬化収縮を離型剤によって貼り付けずに処理するのは
大変重要な事です。
張り付いた状態で硬化させると収縮率にムラが出来て表面に
凹凸が出来たり硬化ムラが起こったりするのです。
繊細なカーブ形状の原型の場合、形が変わって台無しになります。
3面型はヒモで縛っていましたが、ハサミで切ってみると…
石膏型がズルリと開いて桃太郎さんのようにマスクが登場!
ビードワックスの脅威です。凄いワックスを見付けました。

石膏の表面がポリパテの色に染まっているのがわかりますか?
これはワックスに反応して硬化不良を起こした層なのです。
ポリパテが少し収縮して硬化しますし、成型品の表面にも
反応不良層が付着して脱型するので表層を磨いて落とします。
粘土原型よりも直径にして2mm以上小さくなる事を覚えておいて
作業します。


トップへ
戻る