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2016年8月に作業を再開しました。
目標をAタイプマスクに絞り込み細部の特徴を調査して再現します。
表面処理を進めて解説できる状態になりましたので、以下に
Aタイプの特徴を自分なりに書いてみます。 |
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まずは全体のアウトラインですが、卵形ですね。
仮面ライダーの造形はフリーハンドですからイラスト等の様に
左右非対称なのにまとまっています。
全体のカーブに関していえば、右側面は緩やかな卵形で
左側面は「D」を境に曲がりますが平坦なラインで形成。
「A」の部分は平らな面があり前から見るとそこだけ直線的です。
そのラインの直下から卵形にカーブするのです。
マスクの下ラインは「B」の方が長く、「B’」は短いです。
クラッシャーの上端ラインは「C」の方が捲れ上がるようになり、
反対側は緩やかに下がる様なカーブです。
クラッシャー部分も左右の比率が同じではなくて、中心から見て
左右の幅が6:7ほども違っています。 |
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目玉の角度の違いは少し有名かも知れませんね。
右目は立っているのに対して、左目は少し低い位置にあり
角度も寝ているようです。
「A」「B」のようにのぞき窓の形は左右で違っています。
ノーズと目玉の間の三角形部分の形状も左右で違いますね。 |
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ノーズの左右のラインの違いです。
鼻の右はラッパ状に下に向かって広がります。
左のラインは一度広がってから真下に落ちます。
鼻の成型時にラインがヨレたのかも知れません。
タイプ別個体差と考えていいと思います。
Aタイプ独自か?どうでしょうか?
ノーズの立ち上がりラインをパテによって修正する時に削った
可能性大ですね。 |
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これは完全にAタイプ独特な部分です。
Cアイ(目玉)の取り付けラインはパテで成形されますので、
ポリ製マスクは完全に個体差が発生します。全部表現が違う。
鼻の上端、ラインの発生位置が左右で違います。
マスク本体と目玉の間のパテの接合部は毎回手作業ですから
仕方がないのです。
新一号のマスクなどは目玉と本体の段差を無くしていますので
ノーズのラインが途中で消えてしまっています。 |
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整形作業中の画像の方が分かりやすいでしょうか?
付け根の高さはこんなにも違うのです。
ノーズ〜目玉間の三角形部は目玉を覆うように膨らんでいます。
左目の付け根はノーズのラインと目玉の縁が「Λ」型に繋がり、
左右の目玉の上には緩やかに瞼のような膨らみがあります。
これらのラインが影として表れて、尚且つ超触覚アンテナの影で
眉間にシワを寄せた怒りの表情に見える瞬間が旧一号の特徴。
まさに「仮面ライダー、怒りのマスク」なのですね。
この部分を彫刻してペーパーがけ作業していると、指の馴染みが
良いのです。これは実物大で再現して分かる事ですね。
指で触れていて「来た!」の瞬間があるのです。
実物も人間の指で作ったのですから角度などが合っている、
形が合ったと感じる瞬間かも知れません。 |
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これが眉間のシワです。照明を落として影を強調しました。
アンテナの影が加わると…怒ったようにも見えるのです。 |
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今回、放置していたマスクの再始動には別の理由があります。
これは1/6サイズのフィギュアです。
縮小サイズでマスクを作る時の基準が目の前にあるレプリカだった
のです。放置しているとはいえ実際に計測して研究して作っている
自分の中で信頼できる造形物です。(じゃないと意味がないw)
流れとしては…寸法をレプリカから探って1/6のマスクを開始、
新しい情報から作るのでレプリカよりも縮尺の方が正確になる。
その情報と造形結果をレプリカにフィードバックする。
レプリカが進んで造形が進む。縮尺マスクにフィードバックする。
つまり両方のマスクが交互にフィードバックされて作業が進む。
最終的には同じ形になるのが理屈なのですが…
どうでしょう?本当に同じになるのでしょうか?
仮面ライダーのレプリカマスクは沢山の人が何十年もかけて
繰り返し作られていますよね。
最後は実物と同じになるのが…それが終点なのでしょうが…
誰が最後を締めることになるんでしょうね? |