調査して近付ける

左耳は除き穴の先端よりも少し後ろから始まります。
切り欠きは一番後ろよりも後ろから2番目の方が長いですよ。
マスク全体を均す作業の中で何度も修正して作り上げます。
粘土造形の段階で似ていましたので、調整ですね。
右耳は除き穴先端と同じくらいの位置から後ろへ伸びます。
左耳に比べると細い角度ですね。
仮面ライダーの耳についてですが、何となくなのですが左右の耳は
違う人が彫ったのではないか?と思うほど表情が違うのですw
真実は分からないのですが、昔に作った時にも思った事です。
クラッシャー(歯)のパターン。
仮面ライダーに似せて行くうえで重要な部分です。

私はあまり偉そうな事を言わない男ですが、ここは…
クラッシャーのパターン、自信ありますよ。似せましたよ!

Aタイプの特徴で反り返りがありますね。
FRP成型時に型から抜く際に反り返りが発生したようです。
型を長持ちさせるには、離型剤の効果が一番ですが
成型品が柔らかいうちに剥がすと言う事もあるのです。

仮面ライダーのマスクは最初に製作した時に複数個が成型され
仕上げられたのです。
最初の撮影に使われたものが「Aタイプ」と呼ばれています。
「蜘蛛男」から「サラセニアン」まで使用されてからお休み。
「カマキリ男」から「蜂女」までの撮影には「Bタイプ」(丸顔)を使用。
その間にお休み中のAタイプは修復され再塗装されます。
「コブラ男」から再塗装されたAタイプが復活しBタイプはお休み。
旧一号編ではFRPマスクは2種類であると考えています。
4話ごとに交互に修復・再塗装されました。

 1〜4話 Aタイプマスク初期型(A-1)
 5〜8話 Bタイプマスク初期型(B-1)
6〜12話 Aタイプマスク改良型(A-2)
   13話 Bタイプマスク改良型(B-2) 
これが「仮面ライダー」原型ですね。

この写真から何を読み取るのか?
何十回見た事でしょうか。謎だらけの写真なのです…。
モノクロ写真なので素材の違いが分からないですね。
下顎は分離しているのでしょうか?

それぞれのパーツ(仮面・下顎・目玉など)を別で成形してから
組み合わせて検討しているのだと思います。
石膏原型という判断もあるのですが、クラッシャーのパターンや
下顎の形状が完成状態と一致するので一体化された石膏像だとは
考えにくいです。
(逆に言うと分離させた時に雰囲気がもっと変わったはず。)

この写真の解説には「石膏原型を…」とありますので石膏でしょう。
でも、一体成型物ではないと思います。…と、言う意味です。
様々な角度から実物と見比べて比較して似せていきます。
この時に注意するのは対物距離です。凄く大事なことです。
比較検討する対象の画像と同じ距離から見る事です。
フィギュアや模型の写真を撮影する時、モデラーならば細部を
見てもらいたいから接写すると思います。
その場合は細部を重点的に見てほしいからなのですが・・・、
似ているか確認する撮影の場合は別なのです。
DVDの映像で確認するなら同じパースになる距離で見る事。
ムックなどの資料でも同じです。撮影された時と同じ距離で撮る。
そうしないと目玉や鼻筋が大きく映るのです。似ているかどうか
判断できません。
フレームに映り込むサイズだけではなく、撮影機材の質にも
影響されますので注意です。被写界深度などを考えるのです。
専門的な事は私も全部は知りません・・・。

兎に角、バストアップで撮影されているなら同じ位置から撮る。
顔のアップなら顔のサイズで撮って比較する。
それを怠ると似ませんので注意です。
削って凹ませる部分とポリパテで盛り上げる部分にマーク。
独自のマーキングですw人それぞれ書き方は違うと思います。
自分でも決めているつもりで変化しますよw
でも、作業中は理解出来ているので大丈夫です。
そんな事よりもマークの意味すら忘れるほど放置しない事の方が
大事だと思います。何度も思い知りました。
マーキングの意味を思い出すまで作業の継続が出来ないので
放置することになり勿体無い思いをするのは自分です。
ご覧になって分かりますでしょうか?
「御覧なさい。仮面ライダーの顔はこんなにも歪んでいる。」
パッと見、わからないでしょうか?画像を反転すると歪みが強調
されて見やすくなります。
上の画像の反転画像です。
意識してみると歪みがわかる程度ですね。
この「歪みっぷり」を本物に似せるのです。
ここまで行けば後は磨いてキレイに整形するだけです。
ある程度削ったら台所で洗います。
ポリパテの削りかすを洗い流すのです。油分も落とします。
手作業ですから手の皮脂も付着します。
油分は大敵なのです。次のポリパテの層が剥がれるのを防ぐため
油も落とすのです。

こういった作業を繰り返して似せていきます。
まだ少し気になる部分があるので調整しています。
目玉の位置や頭のアウトラインは合いましたが、細部の微妙な
角度や幅を再度検討して仕上げていきます。


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