パテによる修正でBタイプに近付ける

しっかりと頭の中に完成イメージを作ってからパテを盛るようにしています。
「なんとなく盛り付けて削っていれば似てくるだろう?」
そんな事は絶対に起こりません。
少ない回数で確実に似せていくのです。
何度も盛り直しをするような考えでは完成しません。

Bタイプの目玉の角度に修正するために目玉の開口部分を大きくくり抜き、
眼の周囲のパテの膨らみをBタイプ独特の表情になるように盛り付けます。
Aタイプの特徴である反り返っていたクラッシャーを修正して、逆にパテを
盛って膨らませます。
眼の間の三角部分は延長する事になるのでパテを盛ります。
Bタイプは目玉をマスクに接着しますから内側が離れるのです。
Bタイプ独自のシワや段差を再現するために鉛筆でアタリを描き込みます。
部屋の照明が明るいので作業中に僅かな段差が飛んで見えなくなるので
パテ修正作業の度に描き込んでます。
パテを盛りつけてナイフや彫刻刀で切り込んで削って形を出します。
私が使用するナイフは丸刃です。
アートナイフの丸刃はホームセンターで買ってストックしています。
丸刃の特徴は歯を回転させてえぐるように彫刻できる事です。
切れ味が落ちてもカンナのように削る事が出来ますから重宝しています。
ナイフで形出しした後は布製のサンドペーパーで削ります。
#80〜100は金ヤスリ位の切削性で作業が捗ります。
材質が布なので曲面に合わせてズリズリ削れるので曲面の多い作品には
手放せません。
曲面に追従して削れていく様は異次元フィーリングですよ。

パテ盛り>ナイフで形出し>布ヤスリ…
この一連の作業を3回程度で終わらせるように計画して作業します。
3回の作業を全て計画してどのように変化していくかイメージしてから
パテを盛ります。
イメージできないときにはパテを盛らない事ですね。無駄になります。
時間を無駄にすると飽きてきますから完成しません。
目玉の開口部分の調整。
Bタイプは両目の角度が大切です。この角度で似てくるかそうでないか
分かれ目になりますので、何度も検討して資料を見て決定します。
マスクのふち部分が3等分したラインなのです。
結合した部分の曲線が繋がるよう調整します。
鼻先の形状もBタイプは独自の処理をされています。
というよりも…初期仮面ライダーマスクは個体それぞれが処理が違い、
形状も違っています。
3分割したパーツを組み立てて仮面にしますから、キレイに繋がりません。
各タイプごとにパテで繋いで処理したようです。
Bタイプの場合、左上がりの直線ですね。AタイプはV字型です。
鼻先が末広がりなのはBタイプの特徴だったのです。イメージが混同して
旧一号の造形物はAタイプの時にも末広がりにしがちですね。
額部分のアップ画像です。
この部分の起伏の様子は、非常に細かくて繊細な凹凸があります。
元のマスクの形状を潰さずに薄いパテで処理したように見えます。
この部分の画像を見ていて思ったのが…
もしかしたら表面処理にゲルコート(タルク粉を混ぜたポリエステル樹脂)を
筆塗りして隙間を埋めたのかと思ってしまいます。

このように下書きをしてから丸刃のナイフで彫刻します。
凸凹している表面を#400のペーパーで水研ぎしました。
水研ぎ後も下書きを書き直します。
最初に書いた下書きの画像とアップの実物画像を見て下書きし直し。
彫刻して>水研ぎ>書き直し…
この作業も回数を少なく計画して早く仕上げに向かわせます。
形状の手直しを終え、あとは気泡埋めと表面処理。
もう一度全体をチェックして、大丈夫なら溶きパテを塗り付けて磨き
Bタイプの原型は完成します。


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